【沖縄とんでもない物語・飲み物編】苦さが魅力。大人のジュース

春になると本土でも色鮮やかな緑色したヨモギ餅が並ぶ季節ですが、沖縄ではヨモギのお餅は脇役です…。春先体調を崩した私に「子どもの頃、フーチバー(ヨモギ)ジュースをよく飲まされていたよ」とお客様担当24年になる与座美佐子さん(60代)が教えてくれました。与座さんは子どもの頃から好き嫌いが多く、与座さんのお母さんは『どうにかこの子に野菜を食べさせたい』という思いで、フーチバージュースをよく飲ませていたそうです。「週に2回は食卓にフーチバージュースが出てくると、小さなコップに入ったジュースを鼻をつまんでぐいっと一気に流しこんだ。庭にあるヨモギを採ってきて、すりこぎで突いてガーゼで絞ったものに少しでも飲みやすいようにと、りんごを加えて食事の時に飲まされていたよ」と話してくれました。

「昔はミキサーもなかったからね、ミキサーができた後はりんごやゴーヤーとかいろいろな野菜がジュースになってたよ。ミキサーがない頃のフーチバージュースは味はもちろん美味しいと言えるものじゃなかった」。
母親にはたくさん体に良いものを工夫して食べさせてもらっていた与座さん。今ではスーパーに行けばなんでも簡単に手に入る時代に、与座さん自身は母の習慣から少し遠のいているようです。「自分自身が好き嫌いが多いから(笑)。子どもたちにもあまり食べさせてこなかったのよ。今ではもっと食べさせておけばよかったと反省しているけどね…」

最近では、ほとんどの家庭で飲まなくなったフーチバージュース。沖縄の台所とも呼ばれる公設市場内のジュース屋さんにあると聞いて行ってみました。フーチバージュースをちょっと口に入れるだけで、んーーー苦い!思わず顔がクシャクシャになるくらい渋くて、飲み比べたゴーヤージュースが甘く感じるくらい。良薬口に苦しといいますが、これほどだとは…。

那覇市の公設市場で販売されている見るからに草の色をしたフーチバージュース。開封すると青くささが広がります。

このお店には市場で働く人たちが毎日お昼ご飯の飲み物としてフーチバージュースを買いに来ます。幼い頃から飲み慣れている50代~60代の人がほとんどだとか。男女問わず健康の数値が気になる世代ですね。
お店のフーチバージュースはミキサーにかけたりんごを少し加えて仕上げているようです。幼い頃から飲んでいる地元の人は「お砂糖入っているの?」と聞くほど飲みやすく、甘みを感じるようですが、私にはいっさい甘さは感じられず、コップ一杯を飲み干すには気合が必要でした。
んーこれが沖縄の元気の源なのか…。私の舌年齢はまだまだ幼いようです。

本土のヨモギとは異なるニシヨモギという種類で、沖縄そばにのせたり、山羊汁の臭み消しにも使われる。

沖縄の家庭料理ジューシー(炊き込みご飯)や、山羊汁の独特の臭みを消すためにヨモギの葉は欠かせません。それだけに限らず、子供に飲ませるというのは体にいい野菜なんだ、力のある素材なんだと改めて気づかされました。苦さが魅力の「大人のジュース」でした。

この記事を書いた人

商品開発担当 福田 適子(ふくだ・あつこ)

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