いい旧正月でーびる。
(いいおしょうがつですね)
沖縄のお客様と交わした一言目のご挨拶。
今日は旧暦の1月1日。沖縄では旧正月に当たる日。
新暦のお正月以上に大切にしている地域もあり、お仏壇があるお客様のご自宅でも、コロナ前のように沢山の来客が来るわけではないが、お供物の準備で忙しく走り回っていたそうだ。
どんな料理を作ったのか伺うと、旧暦のトゥシヌユール(大晦日)には大根やしぶい(冬瓜)、昆布を入れたソーキ汁を3時間近くかけて大鍋一杯に作ったそうだ。さらに、イカや魚の天ぷら、サーターアンダギーなども揚げ、他にも手作りの料理を沢山作ったそうで、一日中台所に立ちっぱなし。てんてこまいだった様子が目に浮かぶようだ。
私には無理かも・・・。
思わず呟いてしまったのは、私がこれから仏壇を持つ予定がある長男嫁だから。
それを聞いたお客様は笑いながら、こないだ年越しそばを作って食べたかと思えば、すぐに旧正月が来て、またすぐ一六日(あの世の正月)もあるし、たしかに忙しいよねと深くうなづいた。
それでも、なぜかちっとも大変そうには聞こえないのはどうしてだろう。不思議に思って聞いてみると、行事のお陰で家族でご馳走が食べられるし、ヒヌカン(かまどの火の神様)やお仏壇にお供えして、ウヤファーフジ(ご先祖様)にも日頃の感謝と家族の健康を拝んだから、きっと良い一年になるはずだとにこやかに話してくれた。
なるほど、目の前の大変さだけに目を向けるのではなく、何のために、誰のためにを考えると、同じ事柄でも捉え方が違ってくる。今日もまたお客様に教えていただいた。
そういえばと最後にご注文いただいたのは、大好きだという玄米しるしる。特に寒い日には最高だよねと仰るお客様に、時にはご自身のためのくつろぎのひと時も楽しんでくださいねとお伝えしてお届けさせていただいた。
【2/3】節分の日に出会ったお客様は、何オニを追い出したいのかしら?