個性派食材の代表「生ウコン」

「にがーい!!でもなんか体に染み渡る~!」。お客様担当の新垣幸子(あらかきさちこ)さんから今が旬のニガナをいただき、サラダにしました。
沖縄は大地が潤う「うりずん」の季節の3月頃から旬の野菜が増えてくる。
島らっきょう、葉にんにく、ゴーヤー、ウンチェー(エンサイ)、ニガナ。

どれも個性が強くて素材の味がしっかり伝わってきます。食べると体の底から元気になる気がして、苦さもおいしく感じるから不思議。

この時期の食材として、意外と知られていないものに「ウコン」があります。そう、実は、ウコンにも旬があり、1月~3月が収穫のシーズンなのです。

11月頃のウコン。まだ40センチほどしかないが、太陽に向かってグーンと伸びている。(琉球大学農学部にて)

ウコンというと、京都から沖縄に移り住むまでは、健康飲料や粒状のサプリメントをイメージしていたけれど、沖縄では昔から畑に植えられていたり乾燥してお茶にしたり、茶・黄色の染料にもするなど暮らしの中に溶け込んできた身近な食材です。

お客様担当の呉屋弘子(ごやひろこ)さん(70代)は、新婚時代、嫁ぎ先のお姑さんから「毎日ウコン茶を出すように」と言われ、彼の体を守らなきゃ、と毎朝ウコン茶を出していたそうです。

同じ職場のUさん(70代)は、「父が療養中に、市場でウコンを買ってきて擦って白湯に入れてたよ。最初は生姜と間違って買ってきたの(笑)」と懐かしそうに話します。

生姜(右)に比べてウコン(琉大ゴールド)は一回り大きい。

収穫時期を迎えた3月は、スーパーや市場でも生ウコンが並びます。

イーノから徒歩5分の市場でも籠に入って売られていました。
一見、生姜と見間違いそうな形をしています。
健康のために買い求める人が多いそうです。

旬の今が、一番栄養があるに違いない。

イーノが提携している琉球大学農学部の畑で収穫してきたばかりの生ウコン(琉大ゴールド)を使って料理に挑戦しました。

最初に驚くのが、独特の香り。懐かしい香り。
なんと言えばいいのか、子供の頃、芋掘りで感じた甘い土の香り、のような。
包丁で皮を剥いて擦ると、思った以上にオイルが溢れ、あっという間に手が染まりました。

生ウコンの色は、黄色よりも黄金色に近い。
ティースプーン一杯をお味噌汁に入れると、ウコン色に変わりました。
フワーッと懐かしいウコンの香りが立ってきました。
一口飲んでみる。
味噌の味よりもウコンの苦味が強くなり、少し癖が出ました。味噌とウコンのバランスには要注意です(苦笑)。

黄金色のオイルに栄養がつまっています。スライスするとオイルがジュワーっと溢れ出してきます。

もう一品は、ウコンをスライスし「ウコンの蜂蜜漬け」。
一晩置くだけでも蜂蜜に染み渡り、色も香りもすっかり染まっています。
グラスに氷とウコン蜂蜜漬、それに炭酸水を注いでできあがり。
一口飲むと「これは美味しい!」。
ジンジャーエールよりもパンチがあってスカッとする味。生姜もいいが、ここはウコンに軍配。

一晩置いた「ウコンの蜂蜜づけ」はパンにのせても美味しかったです。

ウコンは3月の沖縄旬野菜にあって、相手が何者であっても自分色に染めてしまうとんでもない個性派食材でした。

この記事を書いた人

井坂歩(いさかあゆみ)

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