長崎健一写真集
宮古島西原で140年あまり続く祭祀

【写真集】カギナナムイ2008-2019

長崎健一写真集
宮古島西原で140年あまり続く祭祀

【写真集】カギナナムイ2008-2019

■ 著者長崎健一(ながさきけんいち)
■ 編集協力諸見里道浩 長嶺尚和
■ 体裁縦312mm 横245mm 224ページ
■ 発行日2019年6月1日
■発行所Atelier SUDIGAHO
■価格5,093円
通常価格 5,093円(税込)
個数
長崎健一プロフィール

長崎健一さん

写真家・長崎健一さん(38歳)は琉球列島のほぼ真ん中にある宮古島市の出身。伊良部大橋やトライアスロンの島として観光客に人気だが、 古い祭祀の残る島として民俗学的も知られている。10歳で島を離れ、多摩美術大学の在学中に、故郷の祭祀『ナナムイ』と「再会」し撮影を はじめた。若手写真家の登竜門といわれる東京・新宿と大阪のニコンサロンでの個展をはじめ、沖縄県内では「まぶいぐみ連続写真展」に 出品するなど活躍している。

カギナナムイ写真集について

愛する者のために祈る美しさー故郷で長崎は撮った。

人は祈りつづける。なにを、誰のために。宮古島・西原の伝統祭祀「ナナムイ」は、神司となった女たち(ナナムインマ)とムラの人々が織りなす「ニガイ」の世界。写真家の長崎健一写真集『カギナナムイ 』は、心の底に眠っていた遠い記憶を紡ぎ出す。

編集協力 諸見里道浩(ジャーナリスト)

カギナナムイ写真集の魅力
母たちが祈る
「カギナナムイ」
母たちが祈る「カギナナムイ」

カギとは島の言葉で「美しい」、ナナムイは「7つの森」で、ムイは願所である御嶽(うたき)を示す。祭祀を守り伝える宮古島市平良西原の集落は、周りを大切な御嶽に囲まれ守られている。祈りは女性たちによって受け継がれ、主役となる「母たちの島」。男衆もまた手伝い、時に参加する。 ※御嶽とは、沖縄で神を祀る聖所のこと。御嶽の形式は各所一様ではないが,おおむね森の中にはウガンジュ (拝所) が設けられ、男子が入ることは禁じられています。

母たちによる
深い祈りの世界
母たちによる深い祈りの世界

御嶽は鬱蒼とした木々に覆われている。神女たちが供えたカギカウ(線香)の大きな束から立ちのぼる煙が木漏れ日に輝く。母から神女になり、集落の安寧を、家族の健康を、時に運動会での孫の活躍を祈る。暮らしと祈りは当たり前のように隣り合っている。

なぜ、男性なのに
撮影できたのか
なぜ、男性なのに撮影できたのか

島を離れていた長崎は「旅人への祈り」によって、ずっと島の神々に加護されていた。だから「スディガホー」と感謝の言葉を忘れない。雛鳥が生まれるという意味から「ありがとう」へと変化した島のことば。彼の想いは神女たちに届き、祭祀を奥深く撮影が許された。