真夏のウコン栽培 in石垣島

沖縄の夏は、日中の最高気温は30℃~33℃ぐらい。一方、関東や関西では40度近くなることもありますが、日差しの強さは、やっぱり沖縄が一番ですね。

沖縄の植物は、暑い日差しの中のでもとても元気です。
赤、黄色、紫と色がとてもキレイ。
強い紫外線から体を守るために抗酸化力がとても強いんです。

その中でも代表する植物がウコンです。
6月後半ごろ、琉球大学農学部でウコンの研究をしているホサイン先生と、石垣島のウコン畑を調べに行ってきました。種芋からそろそろ芽が出ている頃です。ホサイン先生の指導による琉大ゴールド(秋ウコン)栽培は、琉球大学内の農場だけではなく宮古島、石垣島へと広がっています。

石垣島は本島からさらに南へ410キロ、体感温度は2度ほど高い。観光地として人気だが、元々はサトウキビやパインなど農業の島だ。那覇から50分ほどで着いた新石垣空港(愛称・南の島ぱいぬしま空港)から車で20分、目的のウコン畑に到着した。

琉球大学農学部 亜熱帯フィールド科学教育センター長教授 モハメド・アムサド・ホサイン博士

ウコン畑を見渡すと、すでに芽が出ていて淡い緑色をした葉っぱが風に揺れています。生産者の嶺井善(みねい・まさる)さんにお会いすることができました。ホサイン先生は、畑をじーっと見て「いいんじゃないですか、土が柔らかいですね」と満足気だ。「うねの両側を耕して人が歩けるところを作っている。人が踏むと土が固くなるからねぇ」と嶺井さん。根茎のウコンが大きく育つには柔らかい土がポイントです。

石垣島の土壌は、国頭マージと島尻マージの間ぐらいでどんな植物でもよく育つ、とホサイン先生は言う。いい土地でも栄養分は大切で、植物が大きく育つための肥料を補わなくてはいけません。土が痩せているのは栄養分が足りない証拠で、同じ地域でも場所によっても気候によっても土の中の栄養分は変わってきます。「土はお母さん、お母さんが元気だったら子供は元気になるし大きくなる」とホサイン先生。芽が出て大きくなるためには栄養分がゆっくり吸収される固形肥料が適しているそうです。

ここで少し沖縄の土壌について。沖縄の土壌は、主に国頭マージ、島尻マージ、ジャーガルの3つです。
国頭マージは、沖縄本島中北部、本島周辺離島、石垣島を含む八重山郡島と幅広く分布し、粘板岩、砂岩、安山岩や植物の堆積によってできた強酸性土壌です。鮮やかな赤褐色をしており野菜の栽培は厳しく、パイナップルの栽培に適しています。

島尻マージは、主に本島中南部、宮古島諸島に分布していて、古代の珊瑚の化石である琉球石灰岩によってできた土壌です。赤褐色で透水性はよく、晴天が続くとすぐに乾燥してしまいます。一般に赤土と呼んでます。

ジャーガルは、主に沖縄本島南部に分布しています。島尻層群の泥岩が風化してできた土壌のことです。灰色の粘土質で細かい粒子のため水はけが悪く、雨が降るとグチャグチャの泥になります。

石垣島で琉大ゴールドを生産する嶺井善さん(右)とウコン女子の大城美佳(左) 

ホサイン先生と嶺井さんは、肥料の種類やこれからの育成について話し合います。「夏場はどんどん雑草が生えてくるから全部抜くこと。雑草が栄養分を吸収するのが問題です。畑の周りの雑草も今のうちにとっておいた方がいい」とホサイン先生。
ほかにも、ウコンが育つための肥料の種類や回数、ウコンの根茎は下に伸びるけど、上にも伸びるため、もう少し大きくなったら土を被せていくことなどを確認しあっていました。実は、嶺井さんの父親もウコン栽培をしていたとのことで父の磨いたノウハウをしっかり受け継いでいました。

茎が20センチ以上伸びると根っこの部分にさらに土を被せ、ウコンの根茎が大きく育つようにします。

ホサイン先生曰く、ウコンが大きく育つかどうかはとにかく管理だと言います。特に雑草を取ることだと何度も強調していました。沖縄の強烈な日差しの下での、雑草との戦いが始まっています。大きくて立派な美味しい琉大ゴールド(秋ウコン)を育てるため頑張るぞー!

同じウコンでも場所によってもその年の気候によっても育て方がだいぶ異なることがわかりました。今までの栽培ノウハウは基本ですが、その時のウコンの育ち方や土の様子を見て対応することが大切だと言うことを教わりました。ホサイン先生がよく言う「子どもを育てるのと一緒」という意味が少しわかった気がします。

ウコン女子 大城美佳

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