沖縄とんでもない物語・飲み物編「ウッチン茶」

昔から日常的に飲まれてきたウコン茶。庭先では、スライスされたウコンが天日干しにされている光景がよくみかけられた。

根茎の迫力は大地の恵み

全国各地にいろいろなお茶がありますが、ウコンってお茶にして飲めるってご存知でしたか?

「沖縄ではウコンは昔からどの家庭も庭に生えていたモノなのよ」と教えてくれたのがお客様担当の普天間まり子さん(70代)。
子どもの頃、おばぁちゃんも一緒に住んでいた普天間さんは「わが家では今の麦茶のように普段飲むお茶として飲んでいたよ。小さい頃から体が弱くてよく風邪もひくし、病気にもなっていたからウチはウコン茶だったのかもしれないね」。

ウコン茶は煎じるほどに苦味が濃くなって、薬効感が増していき、好みは分かれるかもしれません。子どもはもちろん大人でも好みの分かれるウコン茶が麦茶のように当たり前に「家族の健康を支えるお茶」として暮らしの中にあったということに驚きました。
ウコン茶は生のウコンを薄くスライスして天日に干したものを煎じて飲むのが一般的。手間と時間がかかるので今では自分で作るという人はほとんどいませんが、昔は家族の健康を守るためのモノだったようです。

ほかにもウコンは沖縄の食卓に並んでいたようです。沖縄県の中でも地域によって違うようですが、海人(ウミンチュ)にクンチ(元気)をつけてもらおうと漁の前にはウコンをお汁に入れていたようです。

ウコンの根茎を初めて見た時、「えっ?! 食べられるの?」と迫力ある姿形に衝撃を受けたのを覚えています。
ウコンは一つの親芋から、大地のパワーを得ながら何十本もの根茎が増えていくのです。実は入社するまで一度も見たことはなく、どのように育つかなんて想像さえしていませんでした。30年以上ウコンの栽培・加工に携わっている方からは「それはまるで子孫繁栄を願う縁起物のようなものだと私は思っているんだよ」と。

その昔、インドやインドネシアで神様への御進物としても扱われたウコンは神秘の力を持っていたと思われていたのでしょう。沖縄では、家族の健康を守る母親たちによってウコン茶としてずっと活用されてきました。今、世界でウコンのさまざまな効果が注目されているのは当然のことのように思えます。

あの迫力満点な根茎は沖縄の逞しく優しい自然の恵み、そのものの姿かもしれません。ここ最近、ウコンの美味しい食べ方・飲み方にチャレンジしている私にとって、沖縄の太陽のエネルギーを感じられる鮮やかなウコンの黄色が元気をくれる「お守り」になっています。

おすすめのレシピは、ウコンとはちみつに炭酸水を加えた「ゴールド・エール」。暑くなってきた今の季節に気持ちも体もスッキリさせてくれるので、この時期はご来社のお客様にもご紹介しています。

最初、親指程度のウコンの種芋は一年のうちに土壌中の栄養を吸い上げて、10〜20本の芋が広がるようにつき、両手いっぱいの大きさにまで育つ。太くしっかりとしたヒゲがたくさん絡み、茶色くゴツゴツした皮の中から鮮やかなオレンジ色が顔を出す。

商品開発担当 福田 適子(ふくだ・あつこ)

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